トラブル解決ナビ

日常生活に潜んでいるトラブルを解決するための法律や事例を紹介しています。

闇金などの高すぎる利息の借金は支払わなくていい?

Aさんは1年程前、生活費に困り、金融業者から月1割の利息でお金を借りました。
その後、借金も徐々に減ってきた時、Aさんは友人から「金利が高すぎるので払う必要がない」ということを聞きました。
確かに月1割の金利は高過ぎますが、本当に利息を払わなくてもいいのでしょうか?
闇金などの高すぎる利息の借金は支払わなくていい?

当事者が金融業者とそういうふうに契約したのだから払わなければいけないと考える人もいると思いますが、月1割(10%)と言うと、年に換算すると年120%で、年間120%の契約の場合、その契約自体が無効という事になります。

実際の上限というのは、法律が2つあり、民事的な利息の契約という上限、これを規定しているのが「利息制限法」という法律で、あくまでも民事的な契約という事で、その利息制限法には罰則規定はありません。
その利息制限法で上限がどういうふうに決められているのかは貸し出した金額(元本)によって異なっています。
10万円未満の場合には、年率20%、10万以上100万未満の場合には年率18%、100万以上の場合には、年率15%で、これが利息制限法で上限と定められています。
世の中には、その上限を超えて契約しているケースもあり、今回のように月1割・年に換算すると120%というのは明らかに利息制限法違反になります。
しかし、違反にはなりますが、利息制限法には罰則ありません。

そこで、そういう罰則規定を定めている法律が、「出資法」という法律です。
出資法は、年最高で109.5%、これを超えて利息を取る事はできないという事になっています。
仮にその109.5%を超えて契約したと言う事であれば、これにはかなり重たい罰則があり、違反者は10年以下の懲役、もしくは3000万円以下の罰金になります。
そして、その出資法に違反する契約は契約その物が無効になり、利息の請求も出来ません。

ですから、罰則規定に違反している事はかなり重たいので、借りた方は利息は払わなくていいということになります。
いわゆる「闇金」が出資法違反をしていて、言ってみれば犯罪者で、犯罪者に対しては契約という物がないという事になります。
そういう犯罪行為をしている人に対しては利益を与える必要はなく、国が法律で守る必要がないということになります。

従って今回の場合、年109.5%を超す利息契約は、出資法という罰則規定違反で契約そのものが無効になり、貸し出しや利息の請求ができないということになります。
Aさんは月1割、年に換算して120%になるので、これは金利を支払う義務はないということになります。

 - お金に関するトラブル ,

  関連記事

分割払いでお金を貸したが返済が滞っている場合、途中で一括返済を求めることができる?

Aさんは友人に分割返済の約束で50万円を貸しました。 ただし最終的な返済期限だけを取り決め、1回あたりの返済額や回数は細かく決めませんでしたが、この内容で友人に借用証書を書いてもらいました。

お金を返したくても相手と連絡がつかず返せない場合は供託を利用しよう

Aさんは5年前に会社を設立したときに前の会社の同僚のBさんから100万円を融資してもらい、その際に返済期日を決めて借用書も作りました。

なくした免許証や保険証を悪用されてお金を借りられてしまったらなくした本人に返済義務はあるか

Aさんは先日運転免許証をなくしてしまいました。 どこで落としたのか、家の中で紛失したのか、見当もつきません。 仮に屋外で落としていた場合、拾った誰かがその運転免許証を悪用し消費者金融や闇金などで借金をしたら、Aさんにその借金の支払い義務はあ …

出て行ってしまった嫁のパチンコで作った借金を旦那は払う必要があるか

Aさんの奥さんは3年ほど前からパチンコにはまりはじめ、2年前からとうとう消費者金融から借金をし始めてしまい、現在では総額80万円の借金があります。 ある日突然奥さんが家を出てしまい、途方に暮れていたところに消費者金融から旦那さんに対して、奥 …

契約書をなくして再度和解した後に前の契約書を発見した場合どちらの契約が有効か

Aさんは、昨年友人に「期日は今年の12月で全額一括で返し、利息として1万円を上乗せする」という条件で20万円貸しました。 条件と同じ内容の借用書を書いてもらいましたが、Aさんはその借用書をなくしてしまいました。

友人同士の借金の時効の援用権と喪失について

学生時代の友人と15年振りに再会したAさんは、15年前に友人から1万円を借りていたのを思い出しました。 Aさんは「利息は負けてくれ」と言って、その場で友人に1万円を返しました。 しかしその後日、Aさんは借金は10年で時効を迎えることを知り、 …

年齢を偽って借金をした未成年の息子の借金を支払う義務は親にあるか?

Aさんの息子は19歳の学生で、親元を離れて一人で住んでいますが、先日息子から消費者金融から45万円の借金をしてしまい、自分では払えないから払ってくれないかという連絡がありました。 どうやら息子は19歳であるということを相手方の消費者金融に告 …

お金の貸し借りや賃貸借契約で効果を発揮する公正証書とは

Oさんは今度雑貨屋を開くことになり、それを友人に話すと「そういうことなら私も協力する」と、100万円を貸してくることになりました。 友人の厚意に対する誠意から、「いくら友人でもちゃんとした借用書を作ろう、利子は多めに払う」と言ったそうなんで …

兄弟の借金の返済をしつこく催促された場合、支払う必要はあるか

Aさんには兄がいて、兄は飲食店を営んでいましたが、2年程前から次々と近所にライバル店ができ、客足はどんどん遠のいて、先月ついにお店をたたむ事になってしまいました。 Aさんはお店の後片付けを手伝う事にしたそうなんですが、兄はショックのためなか …

承諾なしに家族の借金の保証人にされてしまったら

Aさんは、独立して一人で暮らしていますが、先日、実家の父親が借金をした際に、Aさんを保証人にしたということを聞かされました。 Aさんはこの父親の借金について今まで何も聞かされておらず、保証人になることを承諾した覚えもありません。