婚約してから結婚までの話が全く進まない場合、婚約の解消はできるか?
しかし婚約してから、A子さんが具体的な結婚の話をしようとしても、男性は結婚について具体的な話をしようとせず、はぐらかされてしまいます。
最近A子さんは、男性が本当に結婚する気があるのか信じられなくなってきて婚約の破棄も考えています。
しかし、自分から婚約破棄を言い出すと慰謝料などを請求されそうでなかなか言い出すことができません。
婚約というのは「将来結婚しよう」というお互いの同意で、それが成立したかどうかが1つ問題になります。
いわゆる、単純に付き合っているだけということではなく、今回のケースは婚約まできちんとしたということですから、「将来結婚しよう」という合意が成立していると考えられると思います。
2人の間だけで雰囲気がいいときに「結婚しよう」とお互いに言葉を交わすだけでも、当事者間で「将来結婚しよう」という合意があれば、婚約は成立したことにはなります。
ただ、それを証明するために婚約指輪を送ったり、結納を交したりなどをしたことが婚約が成立したという1つの証拠になります。
今回のケースでは、A子さんは婚約したけれど、相手の男性がなかなか結婚についての話をしたがらないため、その男性を信じられなくなってきて、婚約の解消を考えている状態です。
まず1つは、婚約の解消を言い出すかどうかについてですが、A子さんは「言い出したら慰謝料を取られそうだ」と考えているみたいですが、それについては全然関係ありません。
問題は、婚約の解消は自由ですが、その解消に「正当な理由」があるかどうかということになります。
A子さんがこの結婚の話を進めようとしても、男性の方が「忙しいから」とか「疲れているから」ということではぐらかされて、相手が本気なのかどうかわからないということだけでは難しいかもしれません。
やはり、本当に結婚する気があるのかどうかを、相手に聞いて確かめないといけないと思います。
婚約の解消の正当な理由というのは、具体的には、相手から虐待されたり、暴行を振るわれたり、侮辱された、あるいは結婚式や婚姻の届出を理由もなく一方的に延期しているなどという場合は「正当な理由」にあたると思います。
今回の場合は、そのような段階まで話は進んでいませんが、話し合いができないということであれば、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法もあるので、それを利用した方がいいかもしれません。
従って、今回の結論としては、どうにも行き詰まったときには、家庭裁判所などを活用するのも一つの手ということになりますが、まずは2人で話し合って解決した方が良いということになります。
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